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Stage on Dream

一番大切なことは好きならまずやってみること

―この業種を目指すきっかけは?

三野 僕は高校時代バンド活動をしていたので、専門学校のアーティスト科に入りました。しかし、スタッフに興味を持つようになって、2年次に同じ学校のコンサート制作科に転科しました。こんなイベントをやったら面白いのにというアイディアがたくさんあったので、コンサート制作科ならそれを形にする方法が身につけられるんじゃないかと思って。
 でも、実際にコンサートプロモーターになりたいと思ったのは卒業間際でした。クラス担任の先生がかつてアーティストのマネージャーをしていて、ホットスタッフのことをよく知っていたんです。なので、先生が「大変だけどやってみないか」って誘ってくれて、「じゃあ、やってみよう!」と思い入社しました。

今思えば、コンサートプロモーターという職業に漠然としたイメージしか思い描かなかったのがよかったんじゃないかなと思います。

 今思えば、コンサートプロモーターという職業に漠然としたイメージしか思い描かなかったのがよかったんじゃないかなと思います。なぜなら、コンサートプロモーターに対する夢や理想がそれほどなかった分、厳しい現実も受け入れられて、がんばれたんじゃないかって。仕事って見ているときのイメージと実際やってみたときの現実って多少なりとも違ってくるんじゃないかな。だから、現実と理想のギャップでしんどくなるときがある。そんなときどう乗り越えてやり続けられるかが大切になってくると思います。僕の場合、漠然とコンサートプロデューサーになりたいとは思っていたけれど、仕事に対して先入観や理想像があまり無かった分、現実を素直に受け止めて、やり続けることができたんだと思います。だから、夢やポリシーを持って仕事を選んだ人も、最初の熱い気持ちを大切にしながら、現実に負けないで、やり続けてほしいと思います。
 あと、学生時代に学校が終わるとよく友達と遅くまで一緒に、遊びも含めて色んなことを経験したことが、社会に出てからずいぶん役に立ちました(笑)。だって、僕の仕事はコンサートのために朝9時には会場に入って、翌朝の5・6時の打ち上げが終わるまでなんてことが、日常茶飯事だったから。夜も活動するのが当たり前だったので、翌朝まで仕事するのが苦にならなかったんです。
 そして、専門学校でいろいろ教わったことが基礎になり、その基礎を元に+αを生み出すのが仕事です。社会に出たら分かっていて当たり前のことと思われてしまうけど、その当たり前のことをしっかり学ぶことができたのも役に立っていると思っています。

―では最後に、この業界を目指す高校生へメッセージをお願いします。

三野 音楽業界というとアーティストや芸能人と身近に接する華やかな仕事を想像されている人もいるでしょう。確かにそういう面もありますが、地道で泥臭い仕事もたくさんあります。社会に出ればだれも仕事を教えてくれませんし、怒られることもしょっちゅう。だから、この業界を目指すなら、多少のことではめげないガッツがあり、切り替えのできる人が望ましいと思います。
 それに、多くの人と関わって行う仕事が中心なだけにコミュニケーション能力があり、まわりに気配りができる人も向いているんじゃないかな。でも、一番大切なのは「好きならまずはやってみる」こと。僕も好きな仕事だったからこそ、つらくても我慢できて、苦しくてもあきらめないでここまでやってこられたんだと思います。
 そして、この業界は若いことが有利になることもあります。僕も20歳で入社したてのころは「若いのにがんばっているね」なんて声をかけてもらえることがありました。若いと体力もあるので、肉体的にきつい仕事も、ほかのスタッフに比べてそれほど苦にならないですしね。
 でも、近年では力仕事は機械を使ってすることが多いので、女性の進出もめざましくなっています。女性のほうが感性の鋭いところもありますしね。男女問わず、多くの方がこの業界を目指してくれればと思います。

きっかけのためのたくさんの引き出しを持っておく

好きならまずはやってみる

三野 そのためにも、高校時代にぜひとも力を入れてほしいのが一般教養。目上の人に対する言葉づかいや漢字の読み書きなどは、社会に出てから必ず役に立ちます。そして、雑学もどんどん吸収してほしいですね。たくさんの人と関わることが多いだけに、打ち上げのときなどに初対面の人に出くわすなんてことがよくあるんです。仕事をしているときは仕事の話をすればいいですが、そんな席ではなにかきっかけをつかんで、相手とコミュニケーションをとらなきゃならない。「このグラス○○製ですね。○○といえば……」なんて、なにをきっかけに会話の糸口をつかまないとならないんです。ですから、そのための引き出しがたくさんあると有利ですね。
 プロモーターの仕事は、たくさんの引き出しが求められたり、肉体的にもきつい部分もありますが、多くの人との出会いがあり、そして何より、イベントを自分の手で、1から作り上げ、お客さんに喜んでもらえる、魅力的な職業です。「音楽が好き」 「人と関わるのがすき」という人は、ぜひチャレンジしてみてください。

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